知覚過敏について
こんにちは、歯科衛生士の藤原です。10月も残すところあと1日。すっかり秋らしくなってきましたね!
朝晩の冷え込みも増してきて、紅葉もそろそろ見頃、秋の味覚もあちこちで楽しめる季節です。
食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋と、この季節はいろいろ楽しめることがありますね。
暑すぎず寒すぎずの気候でアウトドアを楽しむのにも絶好の季節です。
私は今年、山登りとキャンプに行きました!外で食べるご飯は一段とおいしく感じます
皆さんもぜひ秋を満喫してお過ごしください(^^)/
冷たい飲み物を飲んだときや歯磨き中に歯が「キーン」としみる…そんな不快な痛みを感じたことがある方も多いのではないでしょうか?これからの気温が下がる季節は、冷たい飲み物や風で歯がしみることが気になることが増えるかもしれません。
歯がしみる症状は、むし歯や歯周病、歯のすり減りなど、歯にトラブルが起きている兆候のことがあるので注意が必要です。
今回はしみる原因の一つである「知覚過敏」についてお話したいと思います。
知覚過敏とは?
知覚過敏は、歯のエナメル質や象牙質が弱くなり、冷たい・熱いなどの刺激が神経に伝わりやすくなることで起こります。症状が現れるのは、冷たい飲み物を飲んだときや歯を磨いているときが多く、一時的な鋭い痛みを感じるのが特徴です。
知覚過敏のメカニズム
歯の外側には「エナメル質」という硬い層があり、その下にある「象牙質」を守っています。しかし、エナメル質が何らかの理由で薄くなると、象牙質にある「象牙細管」という小さな管を通して神経に刺激が伝わりやすくなり、しみる感覚が生じます。象牙細管がむき出しになると、冷たいものや酸っぱいものの刺激で象牙細管内の液体が動き、それが神経を刺激して痛みを感じます。
知覚過敏の原因
知覚過敏を引き起こす主な原因として、以下のようなものがあります。
1. 過度な歯磨き
歯を強い力でゴシゴシ磨く習慣があると、歯のすり減り・歯ぐき下がりをまねき、象牙質が露出しやすくなります。硬めの歯ブラシが好きででゴシゴシ磨かないと磨いた感じがしないという方は要注意です。
2. 酸性飲食物
柑橘類や炭酸飲料など酸性度の高い食べ物や飲み物はエナメル質を溶かしやすく、知覚過敏のリスクが高まります。
3. 歯周病や加齢による歯茎の後退
歯茎が後退すると、象牙質が露出し、外部の刺激が直接神経に伝わりやすくなります。
4. 歯ぎしりや食いしばり
寝ている間の歯ぎしりや無意識の食いしばりにより、エナメル質の摩耗・歯のひび割れが生じ知覚過敏を引き起こすことがあります。
知覚過敏の予防・対策法
知覚過敏を予防するためには、日常のケアが大切です。
知覚過敏はセルフケアで症状の改善が期待できることもあります。
• 適切な歯磨き:硬めではなくふつうの硬さ歯ブラシを選びましょう。歯を磨く際には、歯ブラシを歯の面に当てたときに毛先が広がらない程度の優しい力で磨くことを意識してみてください。
知覚過敏用の歯磨き粉を使うと効果的です。フッ素配合のものはエナメル質の強化、硝酸カリウムという成分は神経の反応を抑える効果が期待できます。
• 食生活に注意:酸性度の高い飲食物を頻繁に摂取しないように気をつけましょう。
• 歯ぎしりの対策:マウスピースを使うなどして歯の摩耗を防ぎましょう。
• 定期検診:歯茎やエナメル質の状態を定期的にチェックするために、歯科医院での検診を受けることをおすすめします。
しみる症状が頻繁に出て気になる場合には、しみ止めのお薬を塗布することで改善する場合があります。
しみるという症状は、放置すると生活の質を下げるだけでなく、大きな問題にもつながる可能性があります。日常生活の中で気をつけるべき点や予防方法を参考にして、健康な歯を保つためのケアを習慣化してみてください。症状が気になる方は無理をせず、早めに歯科医院で相談することをおすすめします。